空き家放置していませんか?

現在進行形で日本全国増加傾向にある空き家、そんな空き家には種類があるのをご存じでしょうか。

簡単に紹介すると、賃貸用の住宅、売却用の住宅、別荘などの二次的住宅、その他の空き家とさまざまです。その中で問題になっているのはその他の空き家と呼ばれるものです。その他の空き家とは持ち主はいるが、管理がされておらず放置されている空き家のことです。2021年のとある空き家調査では、空き家率は過去最高の数字となっていて、放置されている割合が増加していることがわかります。
地域で見ていくと、高齢化に伴い人口減少著しい地方に増えている現状があるようです。

その他にも空き家が増加している原因はあります。日本全体で言えば、少子化や相続の問題も一因でしょう。日本は戦後復興をしていく中で国策として新築を勧める動きがあったとも言われています。中古住宅よりも新築住宅を選ぶ比率が未だに多く、現在でも控除や給付金などといった優遇が新築住宅にあることから、日本人の新築に対する思いを後押ししているのではないでしょうか。

さらに、相続や税金の問題も空き家が増加・放置される原因と考えられます。核家族化の世の中になり、子も既に家を持っていることが多く相続しても親が住んでいた家に住むわけでもなく、かといって思い出のある家をすぐに手放したい解体したいとはならないケースです。また、相続人が複数いる場合、不動産自体が割って所有するのが難しく売却したい時に全員の同意が必要なため売却も難しく空き家として放置されてしまうというケースです。「子供だけならばすぐに連絡が取れるのでは?連絡が取れないなんて珍しいケースでしょう」とお思いでしょうが、相続登記には期限がないことから後回しにして、さらにその相続の権利が代襲相続になっていった場合、相続人の数が多くなり権利関係が複雑になってしまうのです。核家族化の世の中で関係の薄い親族関係が増え、連絡先を知らないなどということから空き家問題が多発しているのです。

税金の問題では、空き家には固定資産税がかかります。ただし、土地に建物が建っている場合土地の面積が200㎡までの分に関して1/6に減額されるという特例が適応されます。そのため、空き家で住む予定が無くても解体してしまうことで固定資産税の負担が6倍になることを避けるため空き家のままにしてしまうといったことがあります。

しかし、2015年に空き家対策特別措置法が施行され「特定空き家」に指定されると、上記のような税金の優遇も受けられなくなり、空き家を所有し続ける意味がなくなります。
特定空き家をざっくりいうと、倒壊の危険や周辺環境の悪化に繋がる可能性のある空き家のことです。この空き家対策に対しては、多くの市町村が積極的であることは事実ですが、現状として明らかな改善がみられているかといえばなかなかそういうわけにもいかないようです。そうなると所有者の空き家への対策が今後の空き家問題への大きなカギを握っているのではないでしょうか。

 

賢いリノベ―ションをするためには?

 上記に述べたような所有者の空き家への対策の一つが空き家をリノベーションするということです。ここで出てきたリノベーションという言葉、現在ではよく使われていてよく意味は理解していないけれど今更聞けないという方も自身を含め少なからずいるのでは?という事で簡単に解説をさせていただきます。リノベーションとは、既存の建物を一新して用途や機能を変更や向上させ付加価値を足す大規模な工事のことです。同じくよく使われるリフォームと比べると分かりやすくなるかもしれません。リフォームとは既存の老朽化した建物や一部を当初の状態やこれまでより快適な形に戻す原状回復するための工事で、リノベ―ションよりはやや小規模な工事のことです。

 話は戻りますが、空き家をリノベーションしようというきっかけはいくつかあります。例えば親の住宅を譲り受けて、家賃の負担が無い実家に暮らしやすいようリノベーションをして引っ越しを考えたり、自身は住まないが買い手がつきやすくなるよう生活しやすい環境に整えるためのリノベーションだったり、その他にも住むためではなく古民家の雰囲気を生かして店舗やアトリエなどに再利用するためにリノベ―ションをするといったことです。

 ここで知っておきたいのが、空き家をリノベーションするメリットとデメリットです。空き家はそもそも古くなって老朽化が進んでいるため、地震などの災害が発生した際に倒壊の危険や周辺環境や治安の悪化など周辺住民とのトラブルなどにもつながりかねません。解体や建て替えといった方法もありますが、リノベーションすることで、将来的な資産価値の向上やそのまま活用できるケースもあります。
メリットは、特定空き家に指定されるリスクが減る、新築するよりも費用が安い場合がある、資産価値がアップする、住むだけでなく賃貸や貸店舗などの活用もできる、国や自治体からの補助金の制度をうまく活用すれば低コストで新たに生活ができるなどがあります。

また、建築基準法の変更や自治体の条例変更により建ぺい率が減少しているケースでは、建て替えの場合減少した建ぺい率に合わせて建築面積を決めなければならず、狭くなってしまうことがあります。そのような場合でも基礎や梁、柱などの骨組みだけを残しながら行うスケルトンリノベーションで建ぺい率はそのままに広さを保つことが出来ます。
デメリットは、建物の状態によっては費用が高くなる、築年数によっては耐震工事が必要になる、活用方法をしっかり考えた上で行わないとかえって損をしてしまうこともあります。とはいえ、空き家をそのまま放置していても税金や維持費がかかるほか、地震があれば倒壊したり、空き巣の被害にあったりする危険もあります。先にも述べましたが、2015年5月に施行された「空き家対策特別措置法」で特定空き家に指定されてしまうと固定資産税が6倍という金銭的な問題も出てきてしまいます。賢くリノベーションするために、まずは耐震性のチェックを行ったり、国や自治体の制度を確認したり、事前準備をしっかりとしながら、高額になってしまう場合はリノベ―ションする箇所の優先順位を計画するなどその道の設計のプロに相談しながら決めていくのが良いでしょう。
空き家をお持ちの方や今後その可能性がある方にとって、ぜひこの機会にライフスタイルに合わせたリノベーションを考える一助になれば幸いです。

 

 今回は、キャリア52年建築士の管見はお休みさせていただき、代わりの者が綴らせていただきました。空き家とリノベーションに関する記事にお時間を割いてここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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